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「扶養に入る」ってそもそも何!?

 

保険を売らないFPの福井です。

 

 

 

 

巷では、

 

「私、結婚して夫の扶養に入る」

 

とか、

 

「夫の扶養だから、あまりパート入れられない」

 

「保険や年金は、夫が払ってる」

 

など、

 

 

 

 

結婚することで「扶養に入る」ということを、よく耳にしませんか?

 

 

 

 

 

 

しかし、実際に何がどのように変わるのか?

 

扶養に入るってそもそも何?

 

という感じで、よく分からない人も多いのでは。

 

 

 

 

今回は「扶養に入る」ことで、何がどう変わるのか、

 

簡単に説明していきます!

 

 

 

 

 

そもそも「扶養に入る」とは?

 

「扶養に入る」って、

 

具体的に何がどうなるの?

 

 

 

 

結婚を間近に控えた奥様方で、

 

これをきちんと理解している人って、

 

あまりいないのでは?

 

 

 

 

 

「そもそも「扶養」って、どういうこと?」

 

 

 

 

まずは、この意味からかも知れません!

 

 

 

 

 

「扶養」とは、ネット上の辞書によると、

 

「自力で生活できない者の面倒をみて、養うこと。」

 

とあります。

 

 

 

 

 

つまり、「扶養に入る」とは、

 

自力で生活できないので、

 

誰か(夫、妻など)に養ってもらうことを意味します。

 

 

 

 

なるほど。

 

 

 

 

では、扶養に入るって、誰でも入ることができるのかな?

 

何か条件があるの?

 

っていう疑問が出てきますよね。

 

 

 

 

公的に「扶養」に入っていると認められるには、

 

ある条件をクリアしなければなりません。

 

その代表的なのが「収入」です。

 

 

 

 

 

この「収入」で、巷でよく話題になるのが

 

「年収103万円の壁」「年収130万円の壁」

 

ってやつです。

 

 

 

 

このブログの例で言うと、

 

妻(パート勤務等)の年収が103万円、130万円

 

を超えるかどうかって話です。

 

※平成30年1月より「年収103万円」の制度が一部変わります。これについては、後ほど。

 

 

 

 

ちょっと待ってください!!

 

 

 

 

年収103万円と130万円。

 

年収の上限が2つもあるのはどうして?

 

 

 

 

 

この点については、よく混同される部分なので、

 

次から詳しく見てみましょう。

 

 

 

 

 

「年収103万円」と「年収130万円」の壁

 

 

まず、この年収の「壁」ですが、

 

それぞれカテゴリーが全く別であると認識してください。

 

 

 

 

 

 

 

1.年収103万円の壁って一体何!?

 

「年収103万円の壁」は、

 

配偶者の年収が103万円以下(厳密には所得が38万円以下)であれば、

 

旦那さんが納める税金を少なくしますよ、っていう意味です。

 

 

 

 

この仕組みのことを「配偶者控除」といいます。

 

 

 

 

因みに、年収103万円を超えても「配偶者特別控除」というものがあって、

 

ある一定の年収までは旦那さんの所得から控除してもらえます。

 

 

 

というのも、妻の年収が一定まで達したら、

 

年収増加に応じて控除額が減っていくイメージです。

 

 

 

 

 

この適用を満額受けるために、

 

世の奥様方は

 

「年収103万円以下にしなきゃ!」と言っているのです。

 

 

 

 

これが「年収103万円の壁」です。

 

 

 

 

 

 

実はこの制度、平成30年1月以降に大きく変更となります。

 

税制改正により、

 

この奥様の「年収103万円」という上限が「年収150万円」まで広がります。

 

「年収150万円」までは、夫側で満額の所得控除を受けられるわけです。

 

 

 

 

 

また、その年収以上になると、

 

控除額がいきなり「0円」になるわけではなく、

 

段階的に控除額が引き下げられていくイメージです。

 

 

 

 

 

但し、この制度を受けられるのは、

 

旦那さんの年収が1,220万円(所得金額1,000万円)以下の家庭に限ります。

 

 

 

 

「満額」の控除38万円を受けられるのも、

 

旦那さんの年収が1,120万円(所得金額900万円)以下の場合となってます。

 

 

 

 

 

さらに、妻側から見ると、所得税が発生することを忘れてはいけません。

 

計算方法は割愛しますが、年収150万円でおよそ年間4万円程度です。

 

続いて年収130万円の壁についてです。

 

 

 

 

 

 

2.年収130万円の壁って一体何!?

 

次に、「年収130万円の壁」についてです。

 

先程の「年収103万円の壁」と優遇される内容が違う、

 

というか、全く別物と考えてくださいね。

 

 

 

 

 

この「年収130万円の壁」ですが、

 

奥様の年収が130万円以下であると、

 

夫の扶養となり、社会保険料を負担しなくてもよくなります。

 

 

 

社会保険とは、健康保険や厚生年金等のことです。

 

 

 

但し、年収130万円以下であっても、

 

下記条件にすべて当てはまる場合は、

 

社会保険適用外となり夫の扶養でいることはできなくなります。

 

 

 

 

つまり、社会保険料を負担しなければなりません。

 

 

 

①従業員500人以上の企業に勤めている

 

②従業員500人以下だが、社会保険に関し労使の合意がある

 

③週の労働時間が20時間以上である

 

④月の収入が88,000円以上

 

⑤1年以上の雇用見込みがある

 

 

 

 

 

以上のように、年収130万円以下であっても、

 

社会保険料の負担が必要となるケースがあるので、

 

ご自身の勤務先に確認してみるのが良いかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

「扶養に入る」って結局お得なの?

 

 

年収の要件は分かったけど、

 

それぞれ家計にどのぐらいのインパクトがあるの?!

 

ここが一番気になるところですよね。

 

 

 

 

まずは、年収103万円の壁である「配偶者控除」についてみてみましょう。

 

 

 

 

 

 

1.配偶者控除・配偶者特別控除について

 

配偶者控除ですが、適用されると所得から38万円の控除を受けられます。

 

つまり、旦那さんが納める税金が安くなるわけです。

 

 

 

では、どのぐらい安くなるのか。

 

 

 

 

 

 

夫の年収600万円で妻の年収103万円以下の場合、

 

所得控除38万円をフルに活用すると、

 

年間約7万円の減税をすることができます。

 

 

 

 

 

納める税金が年間7万円減るわけですから、

 

7万円現金が増えることと一緒ですよね。

 

 

 

 

 

 

この7万円のために奥様の収入を103万円以下にとどめておくか、

 

または、

 

このような優遇を気にせず、

 

奥様がもっと働くことで世帯年収の底上げを図るのも一案だと思います。

 

 

 

 

 

もともと、前述した年収150万円への拡大も、

 

女性の就労拡大が目的の一つでもありましたから。

 

後者の考え方も大いにありです。

 

 

 

 

では、一方の130万円の壁はどうでしょう?

 

 

 

 

 

 

2.社会保険料の負担について

 

仮に、妻が年収130万円以上をパートで稼ぐとしましょう。

 

そうすると、妻は下記を自分で支払わなければならなくなります。

 

 

 

①年金保険料

 

②健康保険料

 

③所得税・住民税

 

 

 

 

仮に、上記支払いの合計を年間18万円とした場合、手取り112万円となりますね。

 

そうすると、年収129万円ぎりぎりで働いていた時より、

 

手取り金額が減ってしまいます。

 

 

 

 

 

これを避けたいために、多くの奥様方は、

 

年収130万円以下をキープしているのですが。。。

 

 

 

 

 

 

 

もし、加入する年金が会社が加入する厚生年金保険の負担であれば、

 

将来年金を受け取る際に、

 

2階部分の厚生年金も貰える可能性があります。

 

 

 

 

これって、長い目で見ると非常にお得なことですよ。

 

 

 

 

仮に、奥様がずっと年収130万円以下で、夫の扶養内で暮らしてきた場合、

 

将来の年金は1階部分しかもらえません。

 

 

 

 

 

 

 

おわりに

 

目の前の手取りを意識した生活に重きを置くか、

 

妻の年収を増やし世帯年収の底上げと年金受給額を増やすか。

 

 

 

 

どちらがあなたの家庭に合っているか、よく考えてみるのが良いと思います。

 

 

 

 

私は、個人的には後者の方をお勧めします。

 

 

 

年収の上限を考えて仕事するより、

 

稼げる時に稼いで少しでも家計の足しにした方が、

 

夫も嬉しいはず(笑)

 

 

 

 

 

そして、将来いくらもらえるか分からない年金。

 

だからこそ、勤め先の制度が使えるなら、

 

その機会は手にしておくべきじゃないかとも思います。

 

 

 

 

以上、参考にしてみてくださいね。

 

福井